カスペルスキー インターネットセキュリティ 2010の評価
ウイルス感染を警戒し、仮想OS上でインターネットをしている人がいます。 こういった人は、万が一、仮想OS上でウイルス感染しても、実環境のOSに影響を与えないために行っています。 これを応用したカスペルスキー 2010 の新機能として、業界初の「仮想実行スペース」があります。 この機能を使えば、アプリケーションを仮想空間で実行できます。 例えばInternet Explorerを仮想空間で実行すれば、万が一ウイルスやスパイウェアに感染し実行されても、実環境のOSにはまったく影響を与えません。
また、カスペルスキーセキュリティネットワーク(KSN)も特徴的です。カスペルスキーが使われているパソコンで、疑わしいファイルが発見されると、インターネット上のカスペルスキーのシステムへ40秒で反映されます。そして、定義ファイルとして、約45分に1回配布されます。
★★★★★ 評価・比較レビュー |
マルウェア対策 (※) | ○ | マルウェア検出率 | ★★★★★ |
ファイアウォール | ○ | 未知マルウェア検出率 | ★★★★☆ | |
フィッシング詐欺対策 | ○ | 軽さ | ★★★★☆ | |
スパムメール対策 | ○ | 機能の多さ | ★★★★☆ | |
個人情報漏洩防止 | × | 値段の安さ | ★★★★☆ | |
有害サイトブロック | ○ | 2010年版から、仮想環境でアプリケーションを実行できる「仮想実行スペース」を搭載。マルウェア検出率は元々良い。 2台のPCへインストール可能になった。 |
||
バックアップ | × | |||
その他:仮想実行スペース、危険サイト診断 | ○ |
※マルウェア - ウイルス、スパイウェア、ワーム、トロイの木馬等の悪意のあるソフトのこと
画面と操作性
カスペルスキーの管理画面は他社と少し違います。 他社のセキュリティソフトは、「ウイルス対策」、「ファイアウォール」といったように機能ごとに設定項目が別れています。しかし、カスペルスキーの管理画面は、”何を守るか?”を主体に項目が別れています。 具体的には、文書ファイル等を守る「データプロテクション」、システムファイルやアプリケーションを守る「システムプロテクション」、Web閲覧時の危険から守る「オンラインプロテクション」に項目が別れています。 それぞれの項目をクリックすると、さらに詳細な設定画面が表示されます。
設定しやすいか、しにくいかは人によって分かれると思います。 比較的上級者の方には分かりやすく、初心者の方には設定項目が多いと感じると思います。
【メイン画面】
【
マルウェア対策
カスペルスキーのマルウェア性能は、「やや良い」です。
以前は、スキャンエンジン単体だと最も良い評価でしたが、最近は、検出率が落ちてきていることと、他のセキュリティソフトの検出率が上がってきたこともあり、マルウェア性能はやや良いとしました。
AV-comparativesによるテスト
AV-comparativesによるマルウェア検出率は、次の通りです。 検出率が以前と比べてやや落ちています。
- ウイルス/マルウェア検出率 94.7%(ADVANCED) 2009年8月
- パターンファイルにない未知のウィルスの検出率 50%(ADVANCED+) 2009年5月
※ ADVANCED+ > ADVANCED > STANDARD > 認定なし の順番で、高評価となっています。
AV-TEST.orgによるテスト
AV-TEST.orgによるマルウェア検出率は、次の通りです。
- マルウェア検出率 98.4%(評価:++) 2008年9月
- アドウェア/スパイウェア検出率 98.3%(評価:++) 2008年9月
- パターンファイルにない未知のウィルスの検出率 (評価:+) 2008年9月
※ 評価は、++ > + > o > - > -- の順番で、高評価となっています。
軽さ(スキャン速度、CPU使用率、メモリ使用量)
2010年版のカスペルスキーの動作はやや軽いです。
特に、2度目以降のファイルスキャンは、更新されたファイルのみスキャンするので、劇的に速く完了します。
私のPCでのスキャン結果
実際にカスペルスキー インターネット セキュリティ 2010 をインストールし軽さをテストしました。具体的には、C:\i386フォルダをスキャンし、スキャン時間、CPU使用率を計測しました。また、PC起動直後のメモリ使用量も計測しました。結果は下のようになりました。
- 特定フォルダのスキャン時間 : 3分20秒
- スキャン中のCPU使用率(平均): 66%
- メモリ使用量 : 49MB
CPU使用率はやや高いですが、スキャンも速く、メモリ使用量も少ないです。
AV-comparativesによるテスト
AV-comparativesによるスキャン速度の評価は、次の通りです。
- スキャン速度 評価:average 2009年8月
※ fast > average > slow > 認定なし の順番で、高評価となっています。
AV-TEST.orgによるテスト
AV-TEST.orgによるスキャン速度の評価は、次の通りです。
- スキャン速度 評価:o 2008年9月
※ 評価は、++ > + > o > - > -- の順番で、高評価となっています。
ファイアウォール
カスペルスキーのファイアウォール機能は非常に優れています。 アウトバウンドのフィルタが特に優秀で、第三者評価機関のLeak Testでも、高い評価を得ています。
【ファイアウォール画面】
スパムメール対策
初期段階のスパム検出率はそれほど良くもありませんが、学習機能があるので徐々に判定精度は上がります。
【スパム(迷惑)メール対策画面】
Outlook、Outlook Express、Tunderbird、そしてShurikenのメールソフトをお使いであれば、カスペルスキーと統合して使えます。Shurikenのプラグインが用意されているところは、ジャストシステム(カスペルスキーとShurikenの販売元)らしいです。
【Outlook Expressと統合した場合の画像】
個人情報保護
クレジットカード番号や、Webサイトへのログインパスワードなどをあらかじめ入力し、これらの情報が勝手に送信されることがないようにする機能はありません。
子供に有害なサイトのブロック
カスペルスキー 2010 は、子供に有害なサイトブロック機能(ペアレンタルコントロール)があります。
設定方法は、下記のように「アダルト」、「薬物」などのカテゴリを指定して、子供に見せたくないWebサイトを制限します。また、インターネットを使用できる時間帯も制限することができます。
【子供に有害なサイトのブロック画面】
【時間帯指定】
その他 - 仮想実行スペース
2010年版のカスペルスキーでは、「仮想実行スペース」という機能が追加されました。この機能は、アプリケーションを仮想環境で実行する機能です。 仮想環境で実行されたアプリケーションを使ってマルウェアに感染しても、実環境のOSに影響を与えることはありません。 例えば、InternetExplorerでWebサイトを閲覧しているときに、(仮想環境で)ウイルス感染してしまった場合でも、実環境ではウイルス感染していません。
推奨はしませんがTorrentやWinnyのようなP2Pソフトを使う時や、アダルトサイトを深く入り込んでWeb閲覧する場合などに非常に有効です。
また、出張先のホテルや、公共無線LANを使ったインターネットをするときなどにも良いでしょう。
【カスペルスキー 仮想実行スペース画面】
上の図において、Internet Explorerが緑色の枠で囲まれていると思います。 これが仮想実行モードで起動しているときの様子です。
その他 - 危険サイト診断
カスペルスキー 2010 では危険なサイトを診断する機能が追加されました。 マカフィーのサイトアドバイザや、ウイルスバスターのTrendプロテクトと同じ機能ですが、少し違う点は疑わしいサイトのみ表示する点です。
【カスペルスキー 危険サイト診断の画面】
その他 - 設定診断、プライバシークリーナー
カスペルスキーには、Windows設定の破損、異常を診断する「Windows設定診断」や、セキュリティを最重視したIEの設定を診断する「Internet Explorer設定診断」があります。
また、操作履歴として残る、最近使ったコマンド、アクセスしたファイル、WebサイトのCookie、キャッシュなどの個人情報を検索して削除できます。
【カスペルスキー セキュリティプラスの画面】
価格
カスペルスキー インターネット セキュリティ 2010 の 価格は次の通りです。 価格は、少し高めです。
- ダウンロード版 パソコン2台1年間ライセンスの価格 4,914円(税込)
- ダウンロード版 パソコン2台1年間ライセンスの更新価格 4,095円(税込)
- パッケージ版 パソコン2台1年間ライセンスの実売価格 5,985円(税込)
本社
開発元:ロシア
日本での販売:ジャストシステム
公式ホームページ Kaspersky Lab
カタログスペック
機能一覧
ファイルアンチウイルス
メールアンチウイルス
ウェブアンチウイルス
メッセンジャーアンチウイルス
アプリケーションコントロール
ふるまいに基づくプログラムのプロアクティブディフェンス
<新機能>更新可能なヒューリスティック
疑わしいプログラムによる個人情報へのアクセスの制限
緊急検知システム(UDS)
<新機能>アプリケーションコントロールの管理画面
<新機能>仮想実行スペース
ファイアウォール
無線LAN接続保護
アンチアタック
アンチスパム
アンチフィッシング
アンチバナー
セキュリティキーボード
プライバシークリーナー(履歴、cookieなどの削除)
<新機能>危険サイト診断
ペアレンタルコントロール
スキャン(iChecker とiSwift テクノロジー)
自動更新
カスペルスキーセキュリティネットワーク(KSN)
<新機能>ゲームモード
プライバシープロテクション
動作環境
Windows Vista
CPU: お使いのOSが推奨する環境以上
メモリ:1GB 以上
ハードディスク:300MB以上の空き容量
Windows XP SP2
CPU: お使いのOSが推奨する環境以上
メモリ:256MB 以上
ハードディスク:300MB以上の空き容量
口コミ情報 (外部リンク)
価格.com 口コミ情報 へのリンク
Amazon レビュー へのリンク
他サイトでの情報 (外部リンク)
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』へのリンク
おすすめ購入先
カスペルスキー 2010 の発売は、10月16日からです。しばらくお待ちください。 ただし体験版は下記からダウンロード可能です。
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