BitDefender インターネットセキュリティ 2010の評価
BitDefender インターネットセキュリティ 2010 の特徴は、パターンファイルにない未知のウイルスの検出率が良い点です。
未知のウイルス検出率が良い理由は、ふるまい検知(ヒューリスティック)の機能が良いためです。 ふるまい検知とは、パソコンの中に仮想環境を作り、その中でプログラムがどういった動き(ふるまい)をするか検査・検知する仕組みです。BitDefenderは、このふるまい検知を世界で最初に搭載し、高い検出率を評価されています。ただし、第三者機関のテストでは誤検知も多いことが知られています。
2010年版のBitDefenderは、このふるまい検知機能をさらに進化させ、アクティブ・ウイルス・コントロール(AVC)という技術も搭載されました。 これにより、ダウンロード時や起動時など通常スキャンが行われるとき以外にウイルスが活動しても、検知できるようになりました。
★★★ 評価レビュー |
マルウェア対策 (※) | ○ | マルウェア検出率 | ★★★★☆ |
ファイアウォール | ○ | 未知マルウェア検出率 | ★★★★☆ | |
フィッシング詐欺対策 | ○ | 軽さ | ★★★☆☆ | |
スパムメール対策 | ○ | 機能の多さ | ★★★★☆ | |
個人情報漏洩防止 | ○ | 値段の安さ | ★★★★☆ | |
有害サイトブロック | ○ | 既知も未知もマルウェア検出率は比較的良い。海外では、高く評価されているセキュリティソフト。ただ日本語圏のスパムメールや有害サイトのブロック率はそれほど良くもない。 | ||
バックアップ | × | |||
その他:ファイル金庫、脆弱性診断 | ○ |
※マルウェア - ウイルス、スパイウェア、ワーム、トロイの木馬等の悪意のあるソフトのこと
画面と操作性の評価
2009年版のBitDefender インターネット セキュリティの管理画面は、「初心者」、「中級者」、「上級者」の3つに分かれます。 初心者モードは、頻繁に使うボタンしか表示されていません。 中級者モードは他社のトップ画面のような表示項目内容です。上級者モードはかなり細かい設定が可能です。 一般的な人なら中級者モードが良いと思います。
【メイン画面(初心者用)】
【メイン画面(中級者用)】
【メイン画面(上級者用)】
マルウェア対策の評価
BitDefender インターネットセキュリティ 2010のアンチウイルス性能は、「やや良い」です。
BitDefenderが得意とする未知のウイルス検出率は非常に良いのですが、やや誤認率も多いです。
AV-comparativesによるテスト
AV-comparativesによるマルウェア検出率は、次の通りです。 検出率は良い結果です。
- ウイルス/マルウェア検出率 97.8%(ADVANCED+) 2009年8月
- パターンファイルにない未知のウィルスの検出率 50%(ADVANCED) 2009年5月
※ ADVANCED+ > ADVANCED > STANDARD > 認定なし の順番で、高評価となっています。
AV-TEST.orgによるテスト
AV-TEST.orgによるマルウェア検出率は、次の通りです。 こちらはアドウェア/スパイウェアの結果がいま一つでした。
- マルウェア検出率 97.6%(評価:+) 2008年9月
- アドウェア/スパイウェア検出率 88.0%(評価:-) 2008年9月
- パターンファイルにない未知のウィルスの検出率 (評価:++) 2008年9月
※ 評価は、++ > + > o > - > -- の順番で、高評価となっています。
軽さ(スキャン速度、CPU使用率、メモリ使用量)の評価
2010年版のBitDefenderの動作はやや重いです。
BitDefenderは、一度スキャンして安全済みと判断されたファイルについては、次回以降スキップされます。ただし一回目のスキャンは他のセキュリティソフトよりも時間がかかりました。
また、使ってみた体感速度が一番重いです。 ブラウザを開くとき、エクスプローラを開くときなど非常に重たく感じます。これは、常時怪しい振る舞いを監視しているアクティブ・ウイルス・コントロール(AVC)のせいかもしれません。
私のPCでのスキャン結果
実際にBitDefender インターネットセキュリティ 2010 をインストールし軽さをテストしました。具体的には、C:\i386フォルダをスキャンし、スキャン時間、CPU使用率を計測しました。また、PC起動直後のメモリ使用量も計測しました。結果は下のようになりました。
- 特定フォルダのスキャン時間 : 6分47秒
- スキャン中のCPU使用率(平均): 33%
- メモリ使用量 : 116MB
CPU使用率は低いのですが、スキャン時間は長いです。これはディスクがボトルネックになってCPUが遊んでいるせいだと思います。試したのがノートPCだったので、デスクトップPCの7,200rpmのディスクではもっと速くなると思います。
AV-comparativesによるテスト
AV-comparativesによるスキャン速度の評価は、次の通りです。 「平均的」という結果でした。
- スキャン速度 評価:average 2009年8月
※ fast > average > slow > 認定なし の順番で、高評価となっています。
AV-TEST.orgによるテスト
AV-TEST.orgによるスキャン速度の評価は、次の通りです。 「普通」という結果でした。
- スキャン速度 評価:o 2008年9月
※ 評価は、++ > + > o > - > -- の順番で、高評価となっています。
ファイアウォールの評価
BitDefenderのファイアウォールは4段階で設定可能です。性能は普通です。
【ファイアウォール画面】
スパムメール対策の評価
BitDefenderのスパムメール対策は、保護レベルを指定できます。 使ってみた感想としては、英語圏の迷惑メールはよくブロックします。 ただ、日本語圏の迷惑メールのブロック率はそれほど良くありません。 学習機能があるので使いこめば精度は上がっていくと思います。
【スパム(迷惑)メール対策画面】
Windows Mail、Outlook Express、Outlook、Thunderbirdのメールソフトをお使いであれば、BitDefenderと統合して使えます。Thunderbirdに対応しているのはいいですね。
【Outlook Expressと統合した場合の画像】
個人情報保護の評価
BitDefenderは、銀行口座番号や、クレジットカード番号などを登録しておくと、これらの情報が外部に送信されるのを防ぐことができます。
【個人情報保護画面】
子供に有害なサイトのブロックの評価
BitDefenderのペアレンタルコントロール(子供のパソコン利用の制限)の機能は多彩で評価できます。 有害サイトをブロックする機能はもちろん、インターネットの利用時間の制限、アプリケーションの利用時間の制限までできます。 アプリケーションの利用制限は、たとえばPCゲームなどを時間制限するときに便利です。
また、登録したキーワードが含まれるWebサイト、電子メール、インスタントメッセージを表示させないようにすることも可能です。 例えば「おっぱい」と入力しておけば、このキーワードが入ったWebサイトなどは表示されなくなります。
【ペアレンタルコントロール画面】
【Webフィルタ設定画面】
【インターネット利用時間の制限】
【アプリケーション利用時間の制限】
その他 - ファイル暗号化
ファイルを暗号化できる機能もついています。BitDefenderでは「ファイル金庫」と呼んでいます。
ファイルを暗号化しておけば、パスワードを入力しなければ、そのファイルを見ることができなくなります。また、ディスクを抜き取って、別のPCにつなげたとしても暗号化されているため見ることができません。
【ファイル金庫の作成画面】
デスクトップ上に、金庫,bvdという暗号化ファイルを作成し、Gドライブにマップ
【マップされたGドライブ(左図)、ロックの解除(右図)】
左の図は、マップされたGドライブ。このドライブにファイルを保存すれば暗号化される。
右の図はロックの解除。Gドライブがなくなる。再度アクセスするには、金庫.bvdを開きパスワードを入力。
その他 - 脆弱性チェック
多くのマルウェアは、OSやプリケーションの脆弱性をついて攻撃してきます。 ブラウザで見ただけで感染するWebページや、見ただけで感染するPDFファイルなどは、ブラウザやAdobe Readerの脆弱性をついています。 そのため脆弱性をなくすことは非常に大切です。BitDefenderは、パソコンのOSやアプリケーションの脆弱性、さらにはパスワードの良し悪しをチェックすることが可能です。
【脆弱性チェックの画面】
価格
BitDefender インターネットセキュリティ 2010 の 価格は次の通りです。 価格は、少し高めです。
- ダウンロード版 パソコン3台1年間ライセンスの価格 オープン(税込)
- ダウンロード版 パソコン3台1年間ライセンスの更新価格 オープン(税込)
- パッケージ版 パソコン3台1年間ライセンスの実売価格 オープン(税込)
本社
本社: ルーマニア
日本公式ホームページ: BitDefender 2010 日本公式サイト
カタログスペック
機能一覧
アンチウイルス・スパイウェア三重の防御層でパソコンを保護します。
第一の防壁 シグネチャ(パターンファイルとの照合)
第二の防壁 仮想環境でのふるまい判定(B-Have)・・・パソコンの中に仮想環境を構築しソフトウェアのふるまいをするかを検査
第三の防壁 通常環境でのふるまい判定(AVC)・・・通常環境においてプログラムを常に監視し、悪意の疑いのある処理を検知
アンチフィッシング
フィッシングの可能性があるウェブページ、ダウンロードされるファイルについてユーザに警告しします。
メッセンジャー暗号化
双方にBitedefenderがインストールされ暗号化が有効になっている場合、通信の暗号化を行います。
ホームコンピューター管理
BitDefender製品がインストールされているコンピュータを一元管理。
ゲームモード
ゲームモードは一時的に保護設定を変更してパフォーマンスに与える影響を最小限にします。 既知のゲームにおいて画面最大化された場合などのタイミングでオンになります。
ノートPCモード
パソコンがバッテリーで動作している際に、BitDefenderが消費電力に与える影響を最小限にします。
プライバシーコントロール
クレジットカード番号などの個人情報を送信する不正プログラムをインストールしようとする試みをブロックすることができます。 また個人情報がホームページ、メール、メッセンジャー経由で流出されることも防ぎます。
脆弱性防御
OSやアプリケーションの脆弱性をチェックして、通知します。
アンチスパム
友人リスト、スパマーリスト,文字コードフィルタ,イメージフィルタ,URL フィルタ, NeuNet(ヒューリスティック)フィルタ,ベイジアンフィルタから構成されています。
対応メールクライアントは、Windows Mail、Outlook Express、Outlook、Thunderbird。
ファイアーウォール
またワイアレス通信検知、ポートスキャンブロック、ネットワークアダプタごとのルール設定、 侵入検知システム(IDS)を実現しているふるまい検知型のヒューリスティックモニターなど 総合的な防御を提供します。
ペアレンタルコントロール
お子様が不適切なサイトやメールをみないようするに設定することができます。 またあらかじめ決められた曜日や時間のみインターネットを利用できるようにしたり、 許可したアプリケーションのみ操作できるようにさせたりすることができます。
ファイル暗号化
暗号化されたフォルダを作成できます。ハードディスクを抜いて別のPCに接続しても暗号化されているので読み取ることはできません。このフォルダの中身を見るにはパスワードが必要になります。
動作環境
Windows 7(32/64 bit)
CPU:800MHz以上のプロセッサ(Intel Core Duoを推奨)
メモリ:1GBのRAMメモリ(1.5GB以上を推奨)
ハードディスク:450 MBのハードディスク空き容量(600MB以上を推奨)
Windows Vista Service Pack 1(32/64 bit)以降
CPU:800MHz以上のプロセッサ(Intel Core Duoを推奨)
メモリ:1GBのRAMメモリ(1.5GB以上を推奨)
ハードディスク:450 MBのハードディスク空き容量(600MB以上を推奨)
Windows XP Service Pack 2 (32/64bit)以降
CPU:800MHz以上のプロセッサ(Intel Core Duoを推奨)
メモリ:512MBのRAMメモリ(1GB以上を推奨)
ハードディスク:450 MBのハードディスク空き容量(600MB以上を推奨)
口コミ情報 (外部リンク)
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他サイトでの情報 (外部リンク)
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